Androidタブレットのスタイラスペン調査

スタイラスペンにはいろんな方式があって困る

このたび、セールに惹かれてALLDOCUBE iPlay60というAndroidタブレットを購入した。手持ちのスタイラスペンで絵が描けるかな?と思ったが対応するペンが手元になかった。僕はタブレットはペンで手書きできることが一番の価値だと思っている。選択肢がiPadだけでは寂しいので、いろいろと試している。それなのに、手持ちのペンでiPlay60に対応できるものがなかった。

ペンの方式を調べてみたら、下表のように、いろいろなものがあった。これ以外にも独自方式のものも以前は多くあったようだが、今は入手困難だと思う。

以下のうち、MPPかなと思って試してみたらだめで、どうやらiPlay60はUSI方式らしい。USIのペンはASUSのCM3に付属していたものがあったはずだ。CM3自体を何処かにしまい込んでしまっているのでまだ試せていない。けれどもUSIは充電式だと思うのだが、CM3付属のものは単なるプラスチックの棒だったような気もする。

方式 主な対応機種 備考 所有
汎用スタイラス 全機種? 先が細いもの、丸い板がついたものなど X
N-Trig? Surface Pro 3など 単6電池を使いBluetooth経由で使用
Apple Pencil V1 iPadの初期型ペン 丸くて転がるのが特徴
Apple Pencil V2 iPad用の現行型ペン 本家は高いが互換品が安価で入手できる
MPP Surface Pro 8/9、Lenovoタブ Windowsタブレットはこの方式が多い
ワコムAES Winタブ? ワコムが提案 X
ワコムEMR Winタブ、Boox Note ワコムが提案。電池不要。
ワコムOne Sペン、Winタブ、Boox Note? ワコムが提案。電池不要。EMRの一種?
XP Pen ペンタブレット(EMR?) 電池不要。EMRでもないみたい。
USI ChromeBook(ASUS CM3とか) Chromebookでよく使われている

スタイラスを使ってなにをするのか?

僕は絵を描く趣味はないので、絵師のような使い勝手までは求めていない。

僕がペンを使って書くのは頭の整理とメモ用だ。いずれも紙とペンでできることだが、電子機器が好きなのでいろいろと試している。

頭の整理は、論文を読んだり思いついたことがあったりして、もやもやっとしたときにそれを図に書く。人に見せる用ではないので、きれいに書く必要がない。ただし、思いつきを図にするので、書き直しが多く発生する。そんなときに、書いたものを消したりコピーしたりできるのがありがたい。

文章を書くときやプレゼン資料を作るときも、まずは手書きする。言いたいことをざっと書き出して、階層化したり順番を並べ替えたり、概念図や模式図を書いたりする。

メモ用は、インタビューをしているときや勉強をしているときにするメモだ。こちらは情報のインプットと並行して書くせいか、とにかく字が多くなる。どちらかといえば、スピード重視なので、書き直すことはあまりない。ただし、後で見返しながら、概念間の関係を示す線を追加したり、表現があいまいなところを追記したりする。

どのペンが便利か

今までで一番使い勝手がよいと感じたのは、東芝のペン付きAndroidタブレット(REGZA Tablet AT703)だった。これは付属のソフトも使いやすくて、重宝した。

一方でSurface Pro3のペンはひどかった。まず単6電池が必要だが店には売ってない。にも関わらずカバンに入れていたら勝手に電源が入って電池が切れてしまうことが多発した。個体差かもしれないけど、Bluetoothはすぐに途切れてしまった。この頃、Apple Pencilが世に出て僕も購入した。Apple PencilとiPadの組み合わせの素晴らしさには感動した。それに比べてSurface Penのひどかったこと。

今はSuraface Pro 9を使っていて、こちらのペンは快適だ。充電式で意外と電池が切れるのが難点ではあるけれど、キーボードにはめておけば充電されるので問題はない。

なぜいろんな機種を買うのか

僕がいろいろな機種を購入するのは、学生におすすめするためだ。評価点は価格と使い勝手の2つだ。

ペンで手書きできるデバイスは、アイデアを練るときにとてもいい。素早くメモを取るのにも有用だ。つまりは学生にはキーボードよりもペンが重要ではないかと感じている。いいタブレットとペンがあれば、紙とペンの代わりになる未来があるかもしれない。そんな期待で、手書きデバイスをいろいろと試している。

まず、iPadは少し高いので、学生にはすすめづらい。iPadの仕様を考えると、学生にはiPadとPCを持ってもらいたい。それはかなりの金銭的負担だ。そういう意味で、タブレット側に安価な選択肢を探している。

Windowsタブレットで安価なものは動作が重くて、日常使用におすすめできるとは言い難い。何より起動が遅くて、開いてすぐに使える環境にならないのがストレスだ。Winタブ一つですべての用途を満たすというのはかなり厳しい。実際僕はSurafacePro9を使っているが、タブレット用途にはほとんど使っていない。

タブレットとしては、Androidタブレットで使いやすいものがあれば、学生におすすめできる。こちらは1万円台からiPadと変わらない値段のものまで選択肢が豊富だ。ただし、選択肢がありすぎてどれを選べばいいのか迷ってしまう。

もう一つの選択肢としてChromebookがある。Chromebookはペン対応のものでもけっこう安いし、動作も軽快だ。一つで全部を兼ねる端末というのなら、こちらが最有力の選択肢だ。特に文系学生はWindowsでしか使えない特殊なソフトというのも、あまりないのでこちらで十分だろう。僕はといえば、ASUSのCM3という端末を購入して試したことがある。とても良かったのだが、職場のWIFIに繋がらなくて、利用を諦めた。

使い勝手の面では、アプリも気になる。

iPadは手書きユーザも多いようで、アプリが豊富だし、情報も豊富だ。アプリだけを見れば、正直iPadをおすすめしたい。

Androidタブレットは、実はそれなりにアプリがあるのだけど、日本語の情報が少ない。実際にはタブレットを日常使用できるだけのアプリは存在する。この点については別記事で紹介する予定だ。

なお、本記事ではペンのことしか書いていなくてキーボードには触れていない。キーボードは、Bluetooth対応の好きなものを使えばいいんじゃないかと思う。本体に磁石で取り付けられるキーボードもあるけど、僕はBluetoothでいいんじゃない?と思っている。それと、僕は出先でキーボードを打つことはあまりない。

iPlay60の調査結果(2024/3/12)

CM3付属のUSIと思われるペンは反応しなかった。CM3のペンがUSIではないのか、iPlay60がUSIに対応していないのか、切り分けができていない。

手元にあったN-Trigペンはかすかに反応する。ペン先の角度によっては反応するという程度で絵をかけたりするレベルではない。N-Trigペンはもう長いこと使っていないものだ。ペン先はかなり消耗しているし、電池も机に転がっていたものを入れてみただけだ。この単6電池が消耗していたかもしれない。もう単6電池を買うことはないと思うので、この検証はこれ以上無理だ。

というわけで、追加の情報が入るまでは、おとなしく純正ペンを買うのがよさそうだ。

純正ペンは5000円弱だが、タブレット本体が2万円前後で売られているので合計2万5千円だ。2万5千円で快適に手書きができるタブレットが入手できる。iPadなどと比べると、納得できる価格だ。

一応もう一つ、「全機種対応」という汎用スタイラスペンを買って試してみる予定だ。こちらが使えれば、ついでに他の端末でも手書きできるので何本もペンを持ち歩く必要がなくなる。一本2000円程度なのでお得感もある。ただし、端末的には「なぜかすごく細い指」でタッチされているようなものなので、パームリジェクションは効かない。

(2024/05/01)

「全機種対応ペン」を使ってみた。これはたしかにただのスタイラスペンで、つかえないことはない程度だ。 絵を描くとかPDFの注釈とか、授業のメモに使わずにタッチするためだけなら使える。 先の丸いスタイラスなどよりは良い気がする。

こどもが学校の端末用に先の丸いタッチペンを使っているならこちらはおすすめだ。

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